日本を代表する電機メーカーですが、10年前はガタガタでした。
僕が就職活動をしていたころ、就職先人気ランキングは常にトップにあり、優秀な学生は、特に理系の学生はこぞってSonyをめざしていました。
リリースされる製品はスタイリッシュで、さすが世界のSonyだな、と唸らす機能とデザイン、使い勝手を実現していました。
優秀な人材を吸い寄せていたあの会社が、10年程まえは一時は「もう終わった」と言われてしまうほど傾いてました。
あんなすごい会社でも一度歯車が狂うとおかしくなってしまうという姿をまざまざと見せつけられましたが、やはり地力のある会社でした。
ここ5年でまた往時の勢いを取り戻してます。
どんな会社?
オーディオ・ビジュアル関連を中心とした家電大手。グループ内に映画・音楽・金融等、幅広く事業展開しています。
元は戦後すぐに中央区日本橋にできた「東京通信工業」で、その後品川に移り、社名をSonyとして現在に至ります。
電機というのはもはや主力ではないんですね。
ゲーム&ネットワークサービス部門が稼ぎ頭になってます。金融も3番目の柱になってますね。
利益率の面ではゲーム、イメージング&センシング、音楽が高い事業体になります。
業績推移はどうでしょうか?
20年度売上は約9兆円です。デカい。。
利益率は11%程度なので、手残りは1兆円程度になってしまいます。
製造業の利益率というのは、なかなか厳しいですね。そんな中でも、ゲームや音楽は15%近い利益率を出しています。
17年度の売上・利益の伸びがすごいですね。
主力のゲームにおけるネットワークサービス(オンラインサービスの月額提供)が軌道にのり、売上の増加もさることながら、利益率の改善に大きく寄与しました。
株価はどうでしょう???
2013年を底にずっと右肩上がりです。
先の事業割合でもわかる通り、ゲーム事業の収益安定が大きく寄与しています。
ネットワーク利用料が取れるようになったことで、ハードの売上がひと段落したあとでもきちんと収益があげられるようになりました。
また、ハードの切り替わりのタイミングでユーザが流出してしまうリスクに対して、ネットワーク上で構築されたコミュニティのおかげで流出を抑える効果が得られているようです。
20年にリリースしたPS5はいまだ入手困難な状況が続き、旺盛な需要を見せつけています。
ネットワークでユーザをつなぎ止め、新ハードで拡大するという作戦が好循環を生んでいるように見えます。
配当はどうなんでしょう?
「そういう方針じゃない」というのが鮮明に見えます(笑
実は自社株買いでEPS上げてるとか???
それもない(笑
明確に成長に投資するスタンスです。株価が上がれば株主に恩恵があるでしょ、ということですね。
営業キャッシュフローはしっかり右肩上がりですが、フリーキャッシュフローは直近でも▲4,000億のマイナスとなっています。
これは2兆円近い投資キャッシュフローの影響です。
老舗企業ですが、成長のために積極的に投資していることが見えます。
シミュレーションしてみました
コロナ前の2019年6月に100万円分購入して、2年後の2021年6月に売却したらどうなっていたんでしょうか?
2年で約2倍になってます!
2年前の株価でも、10年前と比べると3倍近くなってますから、その時点からさらに2倍の成長を予測するのはなかなか難しかったかなと思います。
やっぱり個別株は難しいな。。。
結論
オーディオ&ビジュアルの会社だと思ってたんですが、最大の事業は「ゲーム&ネットワーク」なんですね。
オンラインネットワークを運営することで月額料金をもらう「サブスクリプションモデル」で復活を果たしたようです。
ただ、利益率の低いレガシーのエレクトロニクス系事業もまだあるので、この辺がどうなっていくのか気になるところです。
スマホゲームが拡大していく中でも据え置き型ゲームニーズは底堅くあり、浸食されずに拡大していってます。
しかし、今後の技術革新で「スマホでタダでできちゃう」ような世の中ができてくると、市場が蒸発してしまうリスクもあるな、、とは感じます。さほど近い未来ではないでしょうが。
皆さんも投資される際には、ご自身でよく検討の上ご判断ください。
ではまた。
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