太陽光発電のFIT制度自体は、手探りで見切り発車した感があります。
原発事故からの再エネシフトを一気に進めるためにはいい判断だったと思います。
毎年条件を見直して制度の穴をふさいでいくやり方も、「確認完了するまでリリースしません!!」と言って10年待たされるよりはるかにいいと思います。
国の思惑通り、再エネ事業は急拡大(それでも目標には足りないんですが)を実現しました。
菅さんが2050年でカーボンニュートラル達成!とぶち上げられたのも、この実績があったからでしょう。
急拡大のエンジンはFIT制度です。
国に対する信頼でこれを実現したわけですが、この柱が揺らぐような話がどうやら現実化しているようです。
発電側基本料金
こんな話全然知りませんでした。
ブログのコメントで教えていただいて、ちょっと調べてみたらびっくり。
既に大枠は固まっていて、2023年くらいから導入されそうな様相です。
いったい何コレ。。。
発電側基本料金とは送電設備整備費用です。
電力を運ぶための電線設備は電力会社が整備して、その費用は消費者の電気代にうすーーーく伸ばされて課金されてます。
再エネが普及して、送電容量の問題がたびたび取り上げられ、電力会社は設備増強を迫られました。
この費用も現行の仕組みでは「うすーーーーく」消費者に課金されるわけですね。
これが問題になりました。
発電事業者も売電するために電線を使っているわけだから、発電事業者も負担するのが筋だろうと。
んんーーーー、なんか納得しちゃった(笑
困るのはFITの発電事業者
発電事業者側も負担するのはなんとなくわかったんですが、シンプルに考えて、仕入れ値が上がったらその分売値が上がるだけですよね。
結果、消費者が負担することになっちゃう。
ところが、FITは「固定価格買取制度」です。値上げなんてできません。
結果、FITで売電している事業者が「利益をはき出す」ことでしか対応できないような仕組みになりそうです。
ちょっと気持ち悪い部分
こんなの事業をやってる人からするとよくある話なのかもしれませんが、すでに20年の固定価格が保証された事業が、後追いの制度改定で実質減額されるという、この「後追いで」というのが非常に気持ち悪いです。
よくも悪くも役所は固いので、一度言ったことはなかなか変えてくれません。
不便もあるけど、だから信用している部分もあって、FITを根拠に20年の採算を計算して、リスクを負って事業に参入しているわけです。
これを後追いで変更した実績ができるのが、ちょっと怖いですね。
電気代が高すぎるから、減価償却終わったらFIT40円は20円にしまーす!損はないでしょ?みたいな論調で来られると、何のためにリスクとって借金したのかわからなくなります。
「信頼」が揺らぐ。
これが一番気持ち悪い。回収期間の長い投資なので。
で、実際の影響はどれくらいか?
まだ検討中で議論されてる段階なのでなんとも言えませんが、なんとなくこんな水準感というのは出てきているようです。
1,800円/kwh・年
ようわからん。。。
例えば50kwの発電所だとこんな感じです。
1,800円×50kwh=90,000円
ただし、全額発電側が負担というわけでもないようなので、売買双方で折半とすると
45,000円/年
といった規模感になりそうです。
あと、認定単価でも調整が入りそうなので、単価が低ければもっと安いかも。
そんなに大きく利益を毀損するものではなさそうですが、この「前科」をもとにいろいろ条件が後付けでついてくるのがちょっと怖いかな。。
意義は理解するけど、それ言ったら電力会社の設備設計だって「ほんと正しい??」って部分もありますし、過剰設備とかそっちも切り込んでほしいな、と思う次第です。
ではまた。
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