いわゆる景気敏感銘柄と言われる建機業界において、数十年にわたって首位に君臨し続けている会社がキャタピラーです。
古くはアメリカの急成長とともに業容を拡大し、ここ20年の中国の急成長でもさらに規模を大きくしてきました。
そして、これからも東南アジアやアフリカで、同じように経済の発展に伴い建機需要は拡大していくでしょう。
世界経済の成長とともにある会社、それがキャタピラーかと思います。
ちょっと大げさですが、やっぱり気になるのでちょっと見てみます。
どんな会社?
創業1925年の老舗企業でありながら、以来ずっと建機の世界シェア1位をキープしている会社です。
子供のころ(もはや40年以上昔の話ですが)おもちゃ屋で「ほしーなー」と思ったパワーショベルのおもちゃには「CAT」と書いてあったのを覚えています。
このロゴ、建機じゃないところでもよく見かけますね。
靴やTシャツなんかにもCATのマークがあります。ライセンスグッズ販売もやってるので、B2Bの大型機材を扱ってる割にはちょっと馴染がありますね。
僕の薄い業界知識の中では、CAT・コマツ・日立建機の3強だと思ってましたが、だいぶ古かったようです。
思い込みは怖いですね。投資をするからには、ちゃんと業界を調べないといけません。
CATとコマツが強いのは変わりませんが、日立建機、そしてボルボも順位を落としてます。
当然の結果かもしれませんが、ここ20年ほどの中国市場の急成長に伴い、中国の建機メーカーが上位に食い込んできてます。
余談ですが、遊園地にある遊具で、パワーショベルでボールをすくうゲームがあるんですが、アームにはVOLVOって書いてありました。
日本の遊園地ならKomatsuじゃないの?とか思いながら、シェア争いがこんなとこにも出てるのかなーなんて思ってましたが、そのうち「三一重工」ってロゴになるのかもしれませんね。
時代は移り変わりますが、CATは最強を続けてます。
業績推移はどうでしょうか?
2018年に約550億ドルの売上ピークを付けてから、下降トレンドになってます。
20年度は417億ドルで、売上は17年度以下まで落ち込みました。
いうまでもありませんが、コロナ影響で北米とアジアの建設、鉱山機械の需要が滅失したようです。
19年が18年度対比でちょっと下がってるのは気になりますね。
中国の減速が要因だったようです。それまでが中国による押上効果が大きかったことの裏返しでしょう。
東南アジアやアフリカ需要の立ち上がりが期待されるところです。
配当はどうなんでしょう?
一株当たりの配当はしっかり右肩上がりになってますが、配当性向を見ると結構な乱高下となってます。
これすなわち、純利益がぶれているからですね。
配当利回りでみるとどうでしょうか?
一株当たりの配当も右肩上がりとなっていますが配当利回りは低下しており、直近では2.7%となっています。
配当の増額を上回る株価の上昇があった影響ですね。
肝心の株価は???
景気敏感株だけあって、2016年頭のチャイナショックあたりで底値を付けてます。
そして、そこからの回復局面で一気に2倍程度まで株価を上げてます。
3年ほど横ばいだったんですが、20年度にまた倍増してます。
コロナ明けを見越して、中国・南米の鉱山機械の需要が回復したことが大きく業績に寄与した模様です。
さすが、景気敏感株、といったところでしょうか。
シミュレーションしてみました
コロナ前の2019年6月に1万ドル分購入して、2年後の2021年6月に売却したらどうなっていたんでしょうか?
コロナ明け期待で20年度に大きく上がっているので、19年に買っていればその恩恵にあずかれました。
1万ドルが2年かけて1.6万ドルなので、年率でいうと130%程度の成果が出せる投資となります。
コロナは、巷でよく言われる通り経済に対して「K字」の影響を与えています。
プラスに働く企業・業界にとっては、営業が続けられれば業績が上がる時期でもありました。
反対に、運輸セクターのように何をやっても抗いようのない業界があるのも事実。
コロナをバネにできる業界に投資できたかどうかが、この2年の投資成績を左右しています。
結論
市場としてはまだまだこれからも拡大していくと思います。アジア、南米、アフリカ、まだまだ開発ラッシュを控えた地域がたくさんあります。
当然これらの地域に布石を打っており、確実に王者の地位を築くでしょう。
なんせ、巨大なダンプカーやパワーショベルを作る技術は、一朝一夕にできるものではありません。
が、景気の動向にあまりにも敏感な感は否めません。
営業利益の増減が大きいところも、今後の安定的な利益確保に不安が残ります。
期待はしちゃうけど、あえてここに投資しなくても、ほかにもっといいところはありそうだな、というのが僕の所感です。
皆さんも投資される際には、ご自身でよく検討の上ご判断ください。
ではまた。
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