連続増配58年という配当貴族銘柄ですが、あまり馴染みのない企業です。
先日某新聞に「超絶ROE600%超」として名前が出てました。
ROEは「当期純利益÷自己資本」ですから、めちゃくちゃ利益が多いか、めちゃくちゃ資産が少ないか、どっちかなんでしょうね。
ちなみに一般的にはROEが10%~20%なら優良企業と言われます。
600%って。。。
ちょっと興味がわく企業です。一体どんな会社なんだ??
どんな会社?
歯磨き粉と歯ブラシの会社です。
日本では馴染はあまりありませんが、歯磨き粉では世界シェアの40%を握る大手です。
同じく歯ブラシでは世界の3割、マウスウォッシュでは世界の15%を占めるという、オーラルケアの巨人です。
南北アメリカ&ヨーロッパで全体売上の6割を稼ぎだしてます。アジアは17%程度ですね。
17%だったら日本でもうちょっと見かけてもいいと思うんですが、、、なんだ???
どうやら、主力の「ホワイトニング機能歯磨き粉」の成分が、日本で認可されてないことが原因のようです。
外国人の「白い歯」はコルゲートのホワイトニング成分が一役買っているようです。
そして、海外ではその機能が支持されている結果、世界シェア4割が実現しているんですね。
ふつーにAmazonで買えちゃいますけど。。
業績推移はどうでしょうか?
20年度の売上は前年比105%の165億ドルでした。
日用品の中でも口に入れる歯磨き粉や歯ブラシといったものは同じものを継続的に選択する傾向が強いらしく、安定的な売上を確保しています。
営業利益率も24%とかなり高く、しっかり利益の出る事業構造が出来上がっています。
一方で、劇的に売上が伸びるような要素もないので、よくも悪くも安定しているという感じです。
株価はどうでしょうか
直近上がってきてますが、株価をみても「よくも悪くも安定」という感じですね。
コロナでも大きくは下げてません。
VTI(水色)と比較すると、2016年頃まではVTIを上回るパフォーマンスだったんですね、意外と。
しかしながら、直近数年のTEC企業の強烈な成長につられてVTIが急伸したのに対して、コルゲートは「マイペース」です。
そりゃ、歯磨き粉にイノベーションと言われてもね。。。
2020年1Qのコロナショックによる影響、VTIと比較すると相当軽微ですね。
ウイルスが蔓延しようとも、人は歯を磨きます。
配当はどうなんでしょう?
58年連続増配ですから、きっちり積みあがっています。配当利回りは2%程度で推移している状況です。
配当性向は6割程度です。
配当重視の姿勢なので、もっと割合が高いかと思ってましたが、意外ときれいに6割台をキープしてます。
20年度はフリーキャッシュフローの範囲内で配当を実施してますが、19年度を見るとFCF10億ドルに対して配当は16億ドル出してます。
配当性向は6割台としてますが、フリーキャッシュフローベースでみると結構ムリしてる年もあるようです。
株主還元に積極的、とも言えます。
シミュレーションしてみました
コロナ前の2019年6月に1万ドル分購入して、2年後の2021年6月に売却したらどうなっていたんでしょうか?
2年で18%増えてます。年あたり9%ですね。
主に株価の上昇が寄与してます。
緩やかに成長していく事業内容なので、この結果はできすぎかもしれません。
eコマースへの投資やデジタルマーケティングへの取り組みが早く、その成果がコロナ禍もあって大きく出てきているようです。
結論
現在のPER水準27.1、配当利回り2%という水準を見ると、ちょっと投資はためらわれます。
現状のPERが妥当とみるには、営業利益の成長率が低いように見えます。
とはいえ、非常に安定した日用品市場のシェアを持っているので、大きく株価が下がるリスクは低いですが、持ち続けるには2%の配当利回りではちょっと割にあわないかなと。
PEGレシオでみると、6.0で「割高」という目安になります。
安定してるので減ることはないんでしょうけど、もう少し利回りのよい投資先に資金を充てたいなーと思う次第です。
皆さんも投資される際には、ご自身でよく検討の上ご判断ください。
ではまた。
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