上場廃止というのはなかなか大事です。
先頃より中国政府の締め付けが先鋭化してます。
僕もアリババで痛い目にあってるんですが、その傾向は治まることなく、むしろ強化されつつあります。
今回はなにが起きたんでしょうか。
滴滴出行(ディディ)とはなんだ?
タクシーの配車アプリの会社です。
先行する最大手ウーバーに対抗する一大勢力となってます。
ずっと中国最大のユニコーンと言われていた期待の新興企業です。
2021年6月に米国市場に上場し、なんと初日終値で7.4兆円という驚異的な企業価値を獲得してます。
鉄道網の発達した東京にいるとピンとこないんですが、海外では移動にタクシーはなくてはならない存在です。
駅まで来たけどタクシーが捕まらないので困った!というケースはよくあるそうです。
だから、タクシー配車アプリというのは標準装備という位置付けで、ここからショッピングやチャットや金融サービスへとつながっているようです。
いわゆるスーパーアプリですね。今どきは、もうそんな呼び方しないのかな。
この、入口を抑えている点を高く評価されたんでしょう。
なぜ廃止?
直接的には、中国政府高官の位置情報か、米国に流出する恐れがあるから、と言うことになってます。
メジャーすぎて、中国政府高官たちもアプリを入れてます。
すると、ディディではその位置情報が把握できてしまいます。
高官が北京に集まってるぞとか、あれ?なぜか一人だけ動きが違うぞとか、位置情報からいろんな政治的判断が推測されてしまいます。
そして、米国市場に上場してると、米国政府からの開示要求に対して応ぜざるを得ません。
だから、アメリカとの関係改善の兆しが見えない状況下、上場廃止の圧力がかかったようで。
伏線はあったようで
CAC(中国サイバースペース管理局) なんだか物々しい名前ですが、実は6月のディディIPO前に、CACは上場するならデータの機密性を証明せよ!と指示してました。
これを無視して上場しちゃったんですねー。
まぁ、色々理由はあるみたいですけど、アリババやテンセントの環境を見てると、あまりにもリスクの高い判断だったかなーと思います。
おかげで、いや関係ないかもしれませんが、独禁法で罰金も食らってます。。
中国、コワっ。
株主はどうなる?
明確にどうなるかわかりませんが、仮に非公開化されるなら、米国市場の上場分は一定の価格でディディが買い取ることになるようです。
IPO時点で14ドルだった株価は、今8ドル程度になっているので、投資家は結構な損害を被ることになるんじゃないでしょうか。
チャイナリスク、顕在化してきました。
必ず頭の片隅に置いておく必要がありますね。
ではまた。
コメント