住友スリーエムとして知ってましたが、今はもう本社の米国スリーエムが住友の保有株式を買い取ってスリーエムジャパンとなってます。
「ビジョナリーカンパニー」「エクセレントカンパニー」といった、マネージャー研修で配布されそうな経営本で分析される常連企業です。
そのせいでしょうか、なんとなく「ブランド品」みたいなイメージがあります。
いや、そのせいではないかな。だって2冊とも読んでないし(笑
ただ、企業として長期にわたって化学企業の王座に君臨し続けているのだから、それなりの凄さがあるんでしょう。
ということは長期保有にむいてるのかな??
どんな会社?
スリー・エム(3M Co) 、変わった名前ですが、元は Minnesota Mining & Manufacturingという採掘ベンチャーを起源とします。
そこから化学・素材事業を展開して、100年の繁栄を誇ります。
そこら中に3Mマークの製品はあふれてますが、それもそのはず総製品数は実に5.5万種類もあります。
製品群を挙げればきりがありません。
接着剤、研磨剤、ラミネート、防火材、歯科用品、電気用品、医療製品、自動車関連製品、電子回路素材、光学製品・・・などなど多岐にわたります。
さらに、世界中に65もの関連会社を持ち、その各地域で研究所を構えて、それぞれの地域の特色を生かした研究開発を続け、商品の研鑽を日々積み上げていっています。
特色として語られるのは「15%カルチャー」です。
従業員の誰もが業務時間の15%を自分の仕事に関係のない業務に使うことを認める文化が形成されているそうです。
これにより、新たな発見が生まれたり、業務の効率化が図れたりするという、なんとも珍しい仕組みです。
いや、現在ではさほど珍しくないですかね。
googleなども導入していると聞きますし、ベンチャーなどでもこれを高らかに標ぼうする企業もよく見かけます。ほんとにできてるかどうかわかりませんが。
副業制度なんかもそうでしょうね。
いろんな企業にそのDNAが引き継がれています。その本家本元ということです。
「ビジョナリーカンパニー」のおかげですかね(笑
業績推移はどうでしょうか?
売上は300億ドル近辺で安定しています。
営業利益率も20-25%程度を維持してます。素材・化学業界は10%程度なので、かなり利益率の高い=付加価値の高い製品群を持っていることがうかがえます。
株価はどうでしょうか
2018年~19年にかけて株価が下落しています。
この要因は「対中貿易摩擦」の影響と言われています。
米中の関係悪化により、中国での売上が大きかった3Mは業績への影響を嫌気されました。
実際売上はさほど落ちてないですが、営業利益率が大きく下がってますね。
20年に持ち直してます。
コロナ禍でいったん落ち込んだんですが、マスク需要の特需などで業績が改善していることが好感されて株価は18年初水準まで回復しています。
配当はどうなんでしょう?
右肩上がり、かつ配当利回りは3.4%と、魅力的な水準にあります。
知りませんでしたが、62年連続増配中でした。。。失礼しました。
しかしながら配当性向は徐々に上がってきており、現在7割程度まで来てます。
だんだん連続増配が厳しくなってきてるのかな??
とはいえ、営業キャッシュフローもしっかり右肩上がり、フリーキャッシュフローも確保してます。
が、ちゃんと研究開発投資をしないと強みの源泉を失ってしまうので、うまく両立してもらいたいものです。
シミュレーションしてみました
コロナ前の2019年6月に1万ドル分購入して、2年後の2021年6月に売却したらどうなっていたんでしょうか?
落ち込んでいた19年から比べると、直近は株価が回復局面にあるので2年で20%程の利益が出たことになります。
年間で10%ですから悪くないですが、s&p500と比較すると、、、、ちょっとね。。
この比較をしちゃうと、何も買えなくなりますけどね(笑
結論
100年企業です。
そして60年以上増配を継続しています。
商品が多岐にわたり、世界中のマーケットに浸透しているということは、逆に言うとリスク分散ができているとも言えます。
マスクが売れなくなってもセロハンテープは売れます。中国が売れなくなってもアフリカでリカバリできます。(18年はできなかったみたいだけど。。。)
配当利回りが3%超あるので、インカム狙いの投資先としては結構いいのかなと思いました。
皆さんも投資される際には、ご自身でよく検討の上ご判断ください。
ではまた。
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