日本ではあまりなじみのない会社、アッヴィ。
音感がなかなか個性的なので一度聴いたら忘れないのと、発音しにくそうなのでつい「あっヴぃ」と発音してみたくなる字面です。
米国株界隈では超メジャー株なのでポートフォリオに組み込まれている方も多いかと思います。
僕も関心はあるんですが、製薬というとジョンソンアンドジョンソンとかファイザーとか、日本でもメジャーな企業の方にどうも目が行ってしまい、なかなか手が出ません。
そもそも製薬業界なんだから、最も売れてる薬を持ってる企業が最も強いはずです。
薬の売上ランキングを見ると、20年の1位は「ヒミュラ」
しらん。。。変な名前。
これがアッヴィの看板商品です。
圧倒的な売上規模ですね。
さて、強力な武器を持つアッヴィの投資価値はどうなんでしょうか?
どんな会社?
もはや語るまでもありませんが、バイオ医薬品企業です。
医薬品および治療薬の研究、開発、製造、商業化および販売を生業としています。
さまざまな治療カテゴリーの製品を持ち、製品は所有する流通センターや公共倉庫から世界中で販売されてます。
あ、日本でも売られてるんだ。。。市販薬はないから馴染がないんですね。
先にでた「ヒミュラ」はリウマチ、乾癬、クローン病、大腸炎などに効果を発揮します。
このヒミュラ、2023年に米国内の特許が切れるそうです。。。
ブロックバスターの消失ですが、当然わかっていたことなので、新しい薬の研究開発も進めており、承認直前の「フェーズ3」の医薬品を多数抱えているのは強みです。
さらに、2019年に「アラガン」買収を決定しました。
「ボトックス」等、美容医療に強い会社で、新たな柱の創出を進めています。
業績推移はどうでしょうか?
20年に売上が急増してますが、これはヒット新薬が出たわけではなく、「アラガン」の買収完了によるものですね。
利益率は3割程度を維持しており、高い利益率の見込める事業であることがわかります。
株価はどうでしょうか
2017年まで一気に株価は上昇するんですが、18年以降で急落します。
これは「ヒミュラ」の特許切れ影響です。
米国は2023年から後発薬が販売されますが、海外では一足先に2018年から販売されてます。
ブロックバスター恐るべし。。
その後、米国内のヒミュラ売上は順調に伸び、かつヒミュラ以外の薬の売上も好調だったことから直近では18年の高値を超えてきてます。
配当はどうなんでしょう?
きれいに右肩上がりです。
49年連続増配中の配当貴族銘柄です。
配当利回りも4%超とかなり高めです。
配当性向は8割程度だったんですが、20年度は170%近くになってます。
連続増配は堅持するスタンスを示してますが、この業績が続くようなら耐えられなくなる可能性もあります。
20年のフリーCFがマイナスになってます。
これはアラガン買収に伴う投資が大きかった影響でしょうか。
ちなみに買収額は7兆円規模です。。。高すぎるとして株価も下落してました。
シミュレーションしてみました
コロナ前の2019年6月に1万ドル分購入して、2年後の2021年6月に売却したらどうなっていたんでしょうか?
19年は低迷してましたから、2年で1.7倍程度まで増えていたことになります。
19年で買うのは、、、ちょっと難しかったかな。悪材料が多すぎて。。。
結論
ヒミュラの会社!という感じです。
いろいろ手を打って新薬候補も育っているし、アラガンの買収効果もこれからでしょう。
ただ、それをも吹き飛ばすほどのヒミュラの存在感かなと。
19年の下落は海外での後発薬販売がきっかけだったことを見ると、23年の米国内での販売開始の際にはさらに大きなダメージを受けそうな予感。。。
配当利回りが4%もあって、しかも50年近く増配しているとなると非常に魅力的なんですが、あえて今ここか?と思ってしまいました。
皆さんも投資される際には、ご自身でよく検討の上ご判断ください。
ではまた。
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